インターネットを活用した集客、と聞くとどのようなことを思い浮かべるでしょうか。
「地域密着のウチにはインターネット集客はそぐわない」
「ご紹介がメインなのでインターネット集客は必要ない」
「インターネットなど邪道。対面営業こそが代理店の使命である」・・・。
筆者が代理店向けのインターネット集客に関する講演を行う中で聞こえてきた経営者の声です。
これらの発言は全て一つの「勘違い」に基づいていたものです。その勘違いとは、「インターネット活用とは、インターネットで保険を売ることである」というものです。
実際に保険をセールスする際のことを思い出してみてください。初対面のお客様にいきなりガンガンと保険を売り込むでしょうか。
お客様の状況をお聞きした上で、代理店の紹介や人間性をご理解いただき、必要であれば注意点などをご指摘して提案型の保険セールスにつなげているはずです。
インターネットを使った集客だからといって、インターネットで保険売り込まなくたっていいのです。
この「勘違い」から離れると、代理店はもっと自由にインターネットを活用できるのです。
損保系保険代理店を取り巻く現状
インターネット集客戦略について考える前に、まずは損保系代理店が置かれている状況を3つ視点から分析してみましょう。
一つめは「商品の視点」。
言うまでもなく保険は商品そのもので差別化しにくい。
ですから、代理店は保険以外の付加価値をアピールして差別化することになります。
二つめは「お客様の視点」。
インターネットに限って分析すれば、現在は「検索の時代」といえるでしょう。何かを購入する時、検討する時、お客様は必ずといってもいいほど「検索」を行います。
飲食店などの低単価な商品の購入においても事前に検索する時代です。
保険という商品の場合、ご紹介があったとしても代理店のことを検索していると考えたほうが良いでしょう。
三つめが「競合の視点」。
インターネットにおける競合は「ネット通販保険」でしょう。
ネット通販保険会社にはインターネット専任のスタッフが何十名もいるはずです。
大勢のインターネットスペシャリストと現実の業務を抱えた代理店が真正面から対決しても勝てるわけがありません。
これらの状況から損保系代理店のインターネット活用には
の3つが必要であることがわかります。
損保系代理店に最適なインターネット集客戦略
損保系代理店の現状から導き出された3つの必要な点を踏まえた、損保系代理店のインターネット集客戦略は次のようにまとめられます。
インターネット上に「分身」をつくる
まず第一に、代理店の現実の「強み」である人間力、きめ細やかなフォロー、提案力・・・等を、インターネットで検索することができる場所、すなわち「公式ホームページ」でお客様に丁寧にお伝えすることです。ここで虚栄を張る必要はありません。現在の強みをじっくり分析して、ありのままをお客様にお伝えする努力をすべきなのです。インターネット上のもう一つの代理店・・・「分身」のようなホームページをつくることが必要です。
「分身」を核としてリアルとネットを連携させる
インターネット上に代理店の「分身」ができたからといって即集客につながるわけではありません。代理店の強みであるリアルでのご紹介営業、チラシ配布、飛び込み営業、イベント開催・・・などの集客からホームページへ誘導し、「リアルで出会う → インターネット上の分身を読んでじっくり代理店を知っていただく → その後フォローする」という流れをつくることが大切です。また、リアルだけでなく、Facebook、Twitter、ブログ・・・などもホームページに誘導することで集客活動全体の連携を図ることがインターネット集客だけに時間をさくことができない代理店には必要なのです。
ここまで読み進めていただければ、お伝えしている集客戦略が特別なことではないことがご理解頂けるでしょう。
インターネットだからといって奇抜なことは行わず、強みを丁寧にご説明し、個々の集客活動を連携させる。こんな「王道的」なインターネット集客戦略こそ、損保系代理店にぴったりだと筆者は思うのです。