インターネット集客というと、「ホームページの検索順位を上げる方法」「フェイスブックでいいね!を集める方法」などの集客を行うテクニックやノウハウに目を奪われがちです。
確かに日進月歩のインターネットの世界では成功テクニックやノウハウをいち早く知ることも重要でしょう。
しかし、そのテクニックやノウハウを使ってお客様に伝えるべき「内容」つまり「代理店の特徴」が明確になっていなければ効果を望むことはできません。
遠回りのように感じるかもしれませんが、インターネット集客にとりかかる前に、代理店の特徴を明確にするために自社の立ち位置や強みなどを明確することが必要なのです。
代理店の良さは「なんのために経営しているのか」から描く
では、どのように代理店の特徴を掘り下げていけばよいのでしょうか。筆者がおすすめしている方法は、「なんのために代理店を経営しているのか」という根本的な理由を出発点にする方法です。「なんのために代理店を経営しているのか」つまり、代理店経営の目的が明確だと、すべての活動やメッセージがその目的の達成のためにある、という筋が通ります。その筋の通ったメッセージこそ、あなたの代理店の特徴なのです。この特徴を明確にすることが、インターネットに限らずすべての集客活動の基本になります。
代理店の良さを明確にする4つのステップ
それでは、具体的に代理店の特徴を描いていきましょう。筆者が代理店の集客支援を行う際に実際に行っている4つのステップをご紹介します。
ステップ1 「なんのために代理店を経営しているのか」=経営理念を明確にする
本来であれば、経営理念が「なんのために代理店を経営しているのか」と同義になるはずです。ただし経営理念を十分に検討せずに作成してしまった場合や、現在の経営理念がしっくりいっていない場合は、これを機に再度検討されることをおすすめします。「あなたの代理店が世の中に必要な理由」「保険が世の中に必要な理由」「大切にしている想いや価値観」を書き出してみて、自分の中の棚卸しを行ってから、「すべては◯◯◯のために」という形式でその3つをまとめてみると、本当の意味での「なんのために代理店を経営しているのか」が導き出しやすいです。
ステップ2 「5年後どうなりたいのか」=経営ビジョンを描く
「なんのために代理店を経営しているのか」が明確になったら、その目的を目指していると5年後どのようになっているのかを具体的に描いてみましょう。「なんのために代理店を経営しているのか」は代理店の究極に目指す姿であるため、どうしても曖昧な表現になりがちです。その曖昧な表現を5年先という具体的な未来に写すことで具体化します。「どんな環境で?(場所やスタッフ)」「誰に?(どんなお客様に)」「どんなものを提供している?(付加価値を含む)」の3つの切り口でできるだけ詳細に5年後を描いてみましょう。
ステップ3 「誰に対してメッセージを発信するのか」=ペルソナさんを一人にしぼる
5年後のビジョンを実現するために、今、どんなお客様にメッセージを発信していかなければならないでしょうか。そのターゲットを一人に絞り込んで具体的に考えてみましょう。この理想的なお客様像を「ペルソナ」と呼びます。お客様層ではなく、お客様像です。性別は?年齢は?住所は?居住形態は?家族は?職業は?年収は?どんな人の言うことを聞く?何を見ている?その人が大切にしている価値観は?というように具体的に考えます。ペルソナさんが代理店スタッフ全員の共通項として描けていれば、発信するメッセージや、イベントの企画、募集文章などすべてのお客様との接点を考える際の大きなヒントを与えてくれるはずです。
ステップ4 「代理店の特徴」=「強み」と「価値」を洗い出す
代理店の「強み」とは、他の代理店よりも強い部分をいいます。他の代理店が当たり前にやっていることは強みではありません。「商品・サービスの強み」「スタッフの強み」「提供方法の強み」の3つの視点から強みを分析してみましょう。「強み」が棚卸しできたら、その強みを先ほど描いたペルソナさんの視点で見てみましょう。あなたの代理店の強みによって、お客様はどのような価値を得ることができるでしょうか。
集客のための第一歩は「普通の保険屋」からの脱却
損保代理店の経営者さんは真面目な方が多く、「特徴を出しましょう」「差別化を図りましょう」と提案すると拒否反応を示すこともあります。筆者は奇をてらったことを薦めているわけではないのです。お客様があなたの代理店選ぶ理由をちゃんと考えてあげてください、と言っているのです。「自分は単なる保険屋で、当たり前のことを当たり前にやるだけ」と言う姿勢は一見誠実そうに見えますが、実はお客様の立場に立って自分の代理店をキチンと伝えることを放棄した自分勝手な意見とも言えるのです。本当にお客様のために商売をしている損保代理店こそ、「私どもの理想のお客様はこんな方で、そのお客様に、このような価値を提供するために、我が社は存在はしているのです」と胸を張ってお伝えできるように自分と向き合っていただきたい。そして、それがすべての集客活動の第一歩になるのです。