普通のお店のホームページであれば、主にお客様にアピールすべきなのは「商品」の情報です。
パン屋さんであればパン、飲食店であればメニューやコース、エステサロンであれば施術について・・・というように、ホームページでがお店が扱っている商品を一番にアピールするのが王道でしょう。しかし。保険代理店という業種に限ってはこの王道が通用しません。
普通のお店なら「商品」をアピールするのだが・・・
理由は2つあります。一つめの理由は、保険という商品があまりにも差別化しにくいからです。
もちろんメーカーによって商品の差はありますが、同じメーカーの保険を扱う代理店どうしでは商品での差別化のしようがありません。
また、価格を下げるなどの柔軟性もありません。
たとえば飲食店であればオリジナルのメニュー開発で商品差別化が可能です。
小売店でも、複数の商品をセット販売したり、大量仕入れで値段を下げるような差別化が可能です。
しかし保険という商品は、商品そのものとして差別化しにくいし、値段を下げることもできない。
その差別化が難しい物をわざわざホームページでアピールすることはあまり意味がないのです。
代理店ホームページでアピールするのは「心配事」
では、保険代理店のホームページでは何をメインにアピールすればよいのでしょう。
筆者が保険代理店のクライアントにすすめているのは、保険商品購入の原因となる「リスク=心配事」の提示です。
新規のお客様に保険商品をご提案する時のことを思い出してみてください。
お客様からのリクエストでもない場合、いきなり保険商品のパンフレットをご提示して補償内容の説明を行なうでしょうか?
まずはお客様の今や将来に潜むリスクを指摘して、その対策がお客様の人生にとって必要であることをご説明するのではないでしょうか。
ホームページでも同じようにすればよいのです。
代理店のホームページでは、商品を吟味していただいてご契約申込みをいただく必要ありません。
まず、ホームページ上でお客様に存在するリスク(お客様の立場で言えば「心配事」)を提示し、保険のお話はお会いしてからじっくりと行なう。
つまり商談の前半の「リスク喚起」部分をホームページの役割にすれば良いのです。
お客様一人ひとりに心配事は存在する
しかし、お客様のリスク=心配事といっても、その内容は様々です。お客様が百人いれば、百とおりの潜在リスクのパターンが存在するはずです。
それを万人向けのホームページで提示するのはとても難しい。
だから「ターゲットをしぼること」が大切なのです。
この連載でも何度か触れているターゲットを一人にしぼりこんだ「ペルソナ」と呼ばれる理想のお客様像を描くことが、ホームページでお客様の心配事を提示するために必要不可欠となります。
まずは代理店が対象とする理想のお客様像を明確にして、そのお客様にセールスするように心配事について考えてみましょう。
このように保険代理店のホームページでは、代理店の提案力が発揮されやすい商談の「リスク喚起」の部分を行なうのがベストです。
他代理店との差別化が行いやすくなりますし、保険商品に触れないことで募集文書の審査対象に該当しにくくもなるのです。